テレビドラマ版『ラーメン大好き小泉さん』を全4話視聴した。

私は原作の漫画から読んでいる。
通常、漫画を実写化すると評価が低いことが多い。
この『小泉さん』の場合はどうか?
少なくとも「小泉さん」の再現度は低い。
ガタイが良すぎるし、なんか挙動不審だ。
しかし、原作とは異なる価値を提供できているのだ。

異なる価値とは何か?
そもそも原作『ラーメン大好き小泉さん』は美少女がラーメンを食べる様を鑑賞する作品である。
つまりはあくまで「美少女」が主役なのだ。
それに対して、ドラマ版は「ラーメン」が主役である。
原作では曖昧だった店の名前も実名で登場している。
そもそも食べ物は絵(2次元)より実写(3次元)が有利だ。
そこへきて、「美少女漫画」では出しづらいオッサン3人衆がいい味を出してくる。

「美少女」という枠で戦えば実写(3次元)は絵(2次元)には勝てない。
だから「食べ物」という枠にシフトし、「フードポルノ」として勝負に出たのだ。
「フードポルノ」とは「料理店で料理や食事風景を撮影してネット上で公開すること」らしいが簡単に言えば「飯テロ」のことである。

なお、それに対して私は「イートポルノ」という概念を提唱している。
『小泉さん』や『幸腹グラフティ』など、つまりは美少女が食事するシーンを鑑賞する作品ジャンルが確立しつつあるが、まだジャンル名が定着していないので、私はこの名で呼んでいる。

つまり、『小泉さん』は漫画からドラマで「イートポルノ」から「フードポルノ」への価値のシフトをしたと言えるだろう。