『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~』を無事にクリアしたぞぉおおおおお。

50時間くらいかかったなぁ。

いや、無事というのは違うな。
進行不能バグをモロに食らってなかなかやばかった……。

と、とにかく、すごいものをやった感じがガンガンするぞ。

DOD3と違って、トゥルーエンドまでクリアできたからガッチリ書いていくぞ!

構成とかわかりやすさより、とにかく書きたいこと全部書いていくつもりだ。
ただし、やってない人向けの補助説明はある程度入れておく。

ゲームの特性上、ネタバレ無しは語れないから、その辺注意な!

『シェルノサージュ』について

本作について語るには、まず『シェルノサージュ』はなにがすごかったのかについて語らなくてはならない。

『シェルノサージュ』というのは、架空の美少女キャラとコミュニケーションをとるという、まぁ、『ラブプラス』みたいなものである。

コミュニケーションを取ると言っても、所詮ゲームなのでできることは大きく制限される。

しかし、『シェルノサージュ』はこれを逆手に取った。
PSVITAを通信機に見立てて、限定的なコミュニケーションであることを設定に盛り込んだのである。
つまり、あるとき突然、あなたのPSVITAが7次元先にいるイオンという名前の少女の家の機械と繋がってしまった……という『設定』である。

ちなみに、「7次元ってなんやねん」と思うかもしれないが、3次元軸が「空間」、4次元軸が「時間」、5次元軸が「可能性」、6次元軸が「集合意識」、7次元軸が「世界」を示しているという『設定』らしいです。
「可能性」までわかるけど、「集合意識」ってなんやねん!?

という理由で、『シェルノサージュ』も『ラブプラス』と同じで、プレイヤーの代理となるキャラクターをたてることなく展開するのである。

ちなみに、イオンは記憶喪失であり、この記憶を復元することが実質的なゲームの進行となる。

ちなみにどうやって復元するかと言えば、まず身の回りのバーコードをスキャンすると、『シャール』という妖精のようなものが出現する。
そのシャールに依頼することで記憶の修復ができるのだ。

『アルノサージュ』では「なぜプレイヤーはバーコードをスキャンしなければならないのか?」というところまでシナリオとしてキッチリ回収されているから驚きである。

続編であるということ

まず、重要なのは『アルノサージュ』は『シェルノサージュ』の強い続編であり、『アルトネリコ』の弱い続編である。

強い続編というのはつまり、前作を必ずやっておかないとついていけなくなるぐらい関連性の強い続編ということである。

『シェルノサージュ』ではPSVITAが「異世界」に繋がっていたが、今度はPS3が繋がったという『設定』である。

『アルトネリコ』関して言えば、とりあえずやっていなくても大丈夫だ。
私はやっていなかったが問題なかった。
ちょっとしたファンサービスレベルなんだろう。

逆に『シェルノサージュ』のプレイは必須である。
しかも、『アルノサージュ』の発売日までにリリースされている『セカイパック10』まではやっておきたい。
実際は『セカイパック』は12まであるらしいので、かなり強烈なミッシングリンクが発生してしている。
本作プレイ開始後に「どうしてこうなった!?」感でいっぱいなるぞ!

「どうしてこうなった!?」感といえば、ちょっと話は脱線するが……
私はFF13を最後までクリアし、FF13-2を途中で投げた状態で、LRFF13をはじめたら、すごく「どうしてこうなった!?」感でいっぱいになった……。
『アルノサージュ』もLRFF13両方とも『星が滅びる』とか『方舟に退避』とか、『魂の浄化』、『新しい星の創造』というキーワードで語れる話だったなぁ。
『サージュシリーズ』の方が世界観とシナリオのレベルは高いだろう。
何のことかさっぱりわからないという人は、両方最後までやると意味がわかる。

えーっと、『シェルノサージュ』が必須って話だったかな……。
とにかく必須なんだよ。

しかし、『シェルノサージュ』はよくあるゲームみたいに数十時間集中すればクリアできるようなものではない。
(厳密には課金アイテムのパワー使えばそういうプレイも可能である。)

我々は1年以上の時間をかけて少しずつ、プレイして『下地』を作ってきたのである。

こういうプレイスタイルを迫られれば、当然『脱落者』は多くなってしまう。

本作の初週売上が発表されたが、わずか2万7000本である。

これは過去の『アルトネリコシリーズ』の売上から考えると、とんでもなく低い数字だろう。

ふたりの主人公

さて、ようやく内容についての話に移っていける。
本作は、システムとしては、言ってしまえば普通のJRPGである。
重要な特徴として、デルタとアーシェスというふたりの主人公をザッピングしながら進めるところである。

ザッピングシステム自体は「ときどきある手法」である。

しかし、『アルノサージュ』ではこのシステムすらもシナリオに回収ししているという恐ろしさである。
それについては後述する。

RPGの主人公を語る上で重要なのは、「主人公には強弱がある」ということである。
別に戦闘能力のことではない。

強い主人公とは、名前、生い立ち、性格がキッチリ用意されていているということである。
そういう主人公を用意しているゲームはキャラクタープレイングゲームと呼ぶことができる。

逆に弱い主人公を用意しているゲームは、名前をプレイヤー決めなければならないことが多く、性格も曖昧であことが多い。

デルタ

デルタ・ランタノイルは確固たる自我を持つ主人公である。
確固たる自我を持つはずのキャラクターをどうしてプレイヤーは『操作』できるのか?
従来のゲームでは「当たり前」で済ませてきたことすらも、シナリオに回収されているところが本作の恐ろしいところである。

このデルタ、実は超科学によって「異世界」から操られているのだ。
操っている人物とはもちろん「プレイヤー」である。
そして、恐るべきことに、デルタはそのことによって心身を蝕まれていくのである!

象徴的な台詞をいくつか引用してみよう。

身体の感覚は全然ねぇし、視界はどんどん狭くなるし、最悪だ。

信じられるか? 地震にも気づかないくらい感覚は鈍っているのに、ぶつかりもせず歩けるんだぜ。

俺にはインターディメンドってプログラムが施されてる。
それは、ここじゃない、別の世界の存在が、俺の身体を操るプログラムらしい。


おい、異世界のテメェ!
今すぐチャンネル切れ、電源オフだ!!


これはすごい。
ゲームの主人公は「インターディメンド」されているから操れたのである!

アーシェス

よく、主人公を指して、「あなたの分身です」と説明されるが、「いや……俺、こんなんじゃないし……」と思ってしまうことは少なくない。

細かいキャラクターメイキングができるゲームもあることはあるが、自分に似せようというのは稀だろう。
自分とは基本的に自分で見るものではないからである。

そこで逆転の発想である。

アーシェスは無骨な人型ロボットである。
しかし、デルタと同じく「インターディメンド」されているので「異世界」から操ることができるのだ!
つまり、プレイヤーはPS3を通して、異世界に介入するという『設定』なのだ。
なるほど、これならプレイヤーの容姿も声も関係ない!
これ以上の「リアリティ」があるだろうか!?

ちなみにアーシェスの発言はすべて「選択肢」を通じて行われる。
一択の場合も多いが、それでも選択肢なのである。

そのアーシェスを通じてプレイヤーはイオンちゃんから以下のような「ありがたいお言葉」をかけていただける。

あなたは、ガラス越しにこっちの世界を見てるだけ。所詮は他人事なんだって。
そう思ったら、急に……いろいろ嫌になって。


ずっと一緒になんて、いられない。
あなたは所詮、画面の向こうの人なんだもん。


都合が悪くなれば電源を落とせばいいし、
暇なときだけ遊びに来ればいい。


わたし、知っているんだからね?
あなたは、あなたの世界で画面見ながら
ボタンを押しているだけなんでしょ?


わたしがどんなに辛くても……死にそうでも、
単なるエキサイティングな…ドラマでしかないんだもん!


すごい!
全部バレている!

「キャラクター」も「ロール」も与えられないということはこういうことなのだ!!

せっかくだから、別キャラの台詞も引用してみよう。

一生、画面越しの恋愛ごっこを続けるわけ?
なんかその姿、想像しただけで、
ちょっとむなしいよね。


これが本当のダイレクトアタックである!

ついでなので、もうひとりのヒロイン・キャスの台詞も紹介しよう。

あなたにとって、きっと私達の世界は、
画面越しの映像でしかないのよね。
でも、私達にとっては、この世界だけがすべてなの。


なんというか、今まで放棄してきたゲームたちの叫びにも感じる……。

このメタさ、『ととの』以上の衝撃である。

真・トゥルーエンドの衝撃

「真・トゥルーエンド」って言葉としておかしいかもしれないが、そうとしか表現しようがない。

『シェルノサージュ』からものすご~く右葉曲折なシナリオの果てに辿り着いた、『アルノサージュ』のエンディングであるが、割りと淡白である。

調合食物連鎖の頂点まで登りつめると、トゥルーエンド的なものが見れるが、やはり淡白な感じは否めなかった。

しかしである!

実はトゥルーエンドまで到達すると、WEBで1つの画像ファイルと1つの音声ファイルを入手できるようになるのだ。
(『シェルノサージュ』をプレイしていることが条件)

それこそが、『シェルノサージュ』と『アルノサージュ』の「真・トゥルーエンド」なのである。

この仕掛には恐れいった。

ちなみに、ここではじめてプレイヤーはイオンの真の姿を見ることができる。
どうやら声は同じだったようだ。

イオンがプレイヤーの姿を知らないように、プレイヤーもまたイオンの本当の姿はしらなかったのである。

総評

世界観、シナリオは圧倒的。演出、音楽も素晴らしい!
戦闘はまだテンポを上げることができたのではないかと思うが、挫折させなかったからまぁ合格にしておこう。

演出の中でも、調合ダンスは必見である。



特に、デルタやアーシェスの踊るさまのシュール感がすごい。

文句があるとすれば、ガストクオリティというべきバグの酷さと、2Dアニメのヘチョさである。
本作は3Dのモデルや演出が圧倒的なクオリティを誇っているのが大きな特徴のひとつであるが、逆に2Dアニメのクオリティが今ひとつである。
正直、「おまえ誰だよ」と言いたくなる。

それで、最後に、オススメできるかという話であるが……
『シェルノサージュ』からやる場合に限りオススメできるだろう。